広島の誇り、宮島
厳島神社を少し歩いた先にある「汐まち寿司 つるみ」は、2020年7月にオープンし、今や口コミでたくさんの方が訪れる人気のお寿司屋さんです。
私たちが「汐まち寿司 つるみ」を知ったきっかけは、ある方がきっかけでした。
運動器具sasaeruのクラウドファンディングを行った際、プロジェクトリーダーとして先頭に立ってくれたSoccer Station広島の山根慶大さんです。
その山根さんが大絶賛でお勧めしてくれたお店がつるみさんでした。
それからインスタグラムでsasaeruメンバーちかさんと店主の心(シン)さんと交流が始まり、お店を訪れました。
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2021年。
新型コロナウイルス感染症の蔓延で、広島の飲食店も軒並み影響を受けました。
それは汐まち寿司つるみも。
今、何か少しでも私たちにできることはないか。
お寿司やお店の情報はもちろん、心さんの溢れるおもてなし精神、人柄をもっとたくさんの人に知って欲しい!
そう思い、いざ宮島へ・・
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夜景案内
心さんのインスタグラムは、美しいお寿司と笑顔いっぱいのお客様、それから宮島の夜景、風景が印象的です。
その夜景写真、時には夜景をバックにお客様が仲睦まじいポーズをとって写ってらっしゃいます。
「ん? これは誰が撮ってるの?」
はじめにそう思いました。
なんと、夜の最後のお客様を閉店後に心さんがご好意で夜景案内をされてらっしゃるとのこと。
そしてその写真がなんとも美しく綺麗なのです。
実は、sasaeruメンバーの中元夫婦も夜景案内してもらった1組です。
聞けば、照明の準備、立ち位置の指示・・
いかにきれいに、記念の1枚となるようにと、そこまでしてくれるのか!と心配り満載の心さんにとても心を打たれました。
夜景案内は、心さんのサービス精神の賜物です。
ちょっとシャイで寡黙な印象とはまた違う一面とそのおもてなしの心に惹かれ、もっとお話を聞いてみたいと思い訪問しました。
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鶴崎心と宮島
心さんが宮島で寿司店を営むきっかけをお聞きしました。
元々広島市内で寿司店の店長をしていたけれど、体を壊して一度お寿司から離れました。しかし・・
「また寿司を握りたい」
そう思い、心さんの寿司人生が再スタートします。
そこで選んだ場所が、宮島でした。
宮島は、世界遺産・厳島神社のあるとても有名な観光地。全国からたくさんの人が訪れます。
だから、ここ宮島でやる。 そう決めたそうです。
広島の寿司の価値をあげ、もっと沢山の方に食べてもらいたい。
その想いも、心さんの中にはメラメラと灯っているのだろうなと感じました。
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命懸けの握り修行
大分県出身で、元々福岡から寿司職人をスタートした心さんですが、実はその前に意外な経歴をお持ちでした。
若い頃は洋食屋さんで働き、その後婦人服の営業も・・
その後回転寿司のお店に入り、心さんの寿司人生が始まるのですが、なんとその回転寿司店を選んだ理由は、急募ですぐ働けると思ったからだそう。
意外な感じでしたが、きっかけって、案外そういうものかもしれないですね。
そして、転勤で広島に来られました。
広島に来た心さんには使命がありました。それは、店舗の立て直し。
従業員も総入れ替えで、言葉通りの立て直し状態だったみたいです。
そこから1年、2年、3年・・心さんの功績で売上は順調に上昇しました。
「当初は半年で立て直しを終わらせて福岡に戻る契約だったんですよ(笑)」
なんだかとてもサラリーマンっぽい言葉で、今独立されてご自身のお店を切り盛りする職人・鶴崎心から聞く言葉とは想像もしていませんでした。
当たり前だけど、人それぞれ人生があり、歴史があり・・
人にはわからない苦労や経験、そこで感じた想いが、その人の今を彩り、より一層輝かせるのだな。
その瞬間、強く想いました。
その人の歩んで来られた人生を知ることは、その人を、もっともっと好きになること。
深みと奥行き。
表面だけではない、普段見えない部分をお話してくださったことがとても嬉しかったです。
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つるみのお寿司は、とても手が込み、ツヤっとしていて見るからに溶けていきそう繊細さがあります。
「口に入れたらすぐになくなるの」
その言葉の理由は、シャリにありました。
シャリとネタが口の中で同時にフワッと広がり溶けるような一握りを求め、研究に研究を重ねられたそうです。
その探究心と、美味しい寿司を食べてもらいたいという純粋な心が、広く愛される理由なのだとしみじみと感じます。
さて。
そんな素晴らしい努力のお話に、面白おかしく笑いを添えてくれるところも心さんの魅力です。
福岡・中洲の日本料理店でお寿司を握っていた頃のお話です。
福岡のお店は当時朝5時まで営業していて、あちら系のちょっと手荒な方々もご来店されていました。
そのお店では心さんが転勤で配属される前、お寿司がまずいと表に出されてひどい目に遭うことが4件あったそう・・
そんなことを聞いて、自分はそうならないように・・と、命懸けで練習したそうです。
それは、毎日200貫の猛練習。
先輩のシャリと食べ比べ、とにかくひたすら握る日々を半年間続けたとのことでした。
取材メモには「命懸け」という言葉に、これでもかというほどのアンダーラインが引かれてました(笑)
相当にその話が面白かったのだと、メモを見てもわかります。
実際は、ものすごく苦労して努力されたはずです。
苦労話を茶化しているのではありません。
だけど、心さんの新たな一面を拝見したことと、こんな話を一お客でひょんなことから知り合った私たちと今ここで、笑い合いながら話してくださることがとても嬉しく、聞き漏らしてはならない!・・という感じで聞いていてとても楽しかったです。
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こころを写す
心さんは、ご来店されたお客様を写真にとり、SNSにアップされています。
楽しそうで、嬉しそうで、幸せいっぱいな表情、そして、一緒に映るお寿司も本当に綺麗。
「写真お上手ですよね。」
その問いかけに、そんなことはないけど・・と謙遜しつつもお話してくださいました。
「人を撮るようになって変わった。
撮るからにはうまく、綺麗に撮ってあげたいし、
それに写真を撮らせてくれるというのは、満足してもらえているということかなと。」
あぁ〜
心さんの心配りがお客様にも届いていて、だから、どのお客様の写真もキラキラ輝いて見えるのだなと納得しました。
目の前のお客様のために、心を込め、手を尽くし、最高の時間を提供するおもてなし精神がそこにも繋がっていました。
写真1枚。
しかしその1枚に、心さんの熱意とまごころが存分に込められていて、なおかつそれが相手に伝わっていることが写し出されている。
とても素敵で、こころがあたたまります。
そして写っている女の子たち
笑顔が可愛いなぁ〜〜
もちろん、心さんもそう思ってますよね?笑
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1周年
汐まち寿司 つるみは、「宮島古宿汐まち庵」として2021年4月から1日1組の宿泊プランも展開しています。
美味しいお寿司と、情緒漂う和のお部屋に、もちろん心さんの夜景案内がセットされてとてもお得なプランです。
広島に住む私たちですら、宮島の夜景がこんなに綺麗だと知りませんでした。
ぜひ、泊まりがけでお寿司と夜景を堪能しに、宮島を訪れてみてください。
先日、汐まち寿司 つるみは2021年7月に1周年を迎えられました。
本当におめでとうございます!
1日も早く、沢山の方が心置きなく宮島を訪れ、そしてつるみに足を運べる日が訪れますように・・
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おもてなしの心
沢山のお話を聞かせて頂いて、最後に心さんがお寿司を握る姿を撮らせてくださいとお願いしました。
実はこの時、営業時間外どころか営業自粛期間中でした。
格好だけでも・・という気持ちでいた私たちを前に、ちょっと待ってくださいね。とゴソゴソし始めた心さん。
まさかです。
シャリとネタを用意して、握ってくださいました。
お気持ちがとてもとても嬉しかったです。
やっぱり、おもてなしの心さんだ。。そう思いました。
そして当然ですが、美味しすぎました。。
つるみで使われる魚は、普通では手に入らない独自のルートで仕入れておられます。
人脈と信頼関係があるからこそ手に入るネタなのだと思います。心さんのお人柄があってこそですね。
さんまの握りと、大トロの握り・・
最高でした✨ ありがとうございました。
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最善を尽くす
今できる、最善のおもてなしを。
心さんとお会いして、そんなことをとても沢山学ばせていただきました。
お寿司も、写真も、夜景案内も・・・全て、その心が詰まっているのだと感じました。
私たちが大切にしている「支える」という心も、大切な人を大切に想い、幸せにしたいという想いが根底にあります。
目の前の人が喜んでくれたら、自分も幸せになる。そして自分が嬉しいと、相手も嬉しい気持ちになる。
そうやって、ぐるぐると巡り巡るうちに幸せや喜びの輪が大きく育つと思っています。
だから、今目の前の人のために、全力で最善を尽くす。
大きなことでなくても良い。小さなおもてなし、小さな心遣いを常にいつも行動にうつせる人になりたいと思いました。
それが、人の心を動かし、幸せを与え続けられる人に必要なことだな。と。
私たちの活動テーマに、「give and give ー 感謝し続け、与え続ける」という言葉があるのですが、今回またそのことを思い返す取材となりました。
本当にありがとうございました。
心さん、また美味しいお寿司を食べに行きますね!
いつか連れて行きたい人が2人います。まっすぐで志高い若者です。
その時はぜひ、夜景案内してくださいね。
男子ですが(笑)
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