とあるマーケットを訪れて、ひときわ気になるコーナーを見つけました。
それが、「infinity」の友紀さんと「工房こどもノか」の奈緒子さんが作るアップサイクルバッグでした。
アップサイクルとは、廃棄物の素材や特徴をそのまま活かしつつ、手を加えてそのものの価値を高めること。
リサイクルとは似ているけどまた違う、今注目のキーワードです。
良い感じにくしゃっとした紙素材と、目に飛び込んでくる鮮やかなブルー・・
よく見るとそれは、米袋とブルーシートのバッグだったのです。
絶妙にキュンとするフォルムと、思いも寄らない素材に一瞬でトリコになりました。
そんな出逢いをきっかけに、サスティナブルな取り組みをされるお二方にコンタクトをとり、sasaeru club初の取材へ。
活動の背景やストーリー、お二人の空気感や想いが少しでも伝われば良いなと思います。
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東広島市田口町のとてものどかな場所に工房がたたずんでいました。
チャイムを鳴らし、こんにちは〜!と声をかけると、とても気さくで優しい雰囲気のお二人が出迎えてくださいました。
早速2階の工房へ上がらせていただき、取材スタート。まずはお二人がアップサイクルバッグの製作を始められたきっかけを伺いました。
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アップサイクルへの道
元々お裁縫が好きだった友紀さん。
お子さんの登園用にと久しぶりにミシンと向き合ったのをきっかけに、ものづくりの楽しさを思い出されたそうです。
初めは布小物や布バッグを製作していたそうですが、ある時新潟の主婦のみなさんが新潟米のアピールのために米袋をバッグにしていたのを見かけたことから、友紀さんの米袋バッグへの道がスタートします。
また友紀さんは、熊本の地震災害で使われた後のブルーシートで作った復興支援バッグのことを知り、その取り組みにもとても感動し、それがずっと心に残っていました。
一方、洋服の製作をしていた奈緒子さんは、ある時ご近所さんから子供服や着物のリフォームを依頼され、破れたりほつれたりするたびに何度も何度も直し大切に使われるその姿に、ものを大切にすることの意義を感じたそうです。
そういったご依頼の中、自身のリフォーム技術にも自信がつき、「お直し」に対する意識が変わった、「“お直し”は洋服界の縁の下の力持ち」なのだと話してくださいました。
とても印象的な言葉でした。
そんなある日、奈緒子さんは友紀さんと出逢いました。
その時友紀さんから、熊本の復興支援のブルーシートバッグのお話を聞きました。
そこから奈緒子さんのブルーシートバッグの道が始まったそうです。
友紀さんと奈緒子さん。
別々の場所、それぞれの人生の中で、「アップサイクル」という同じ目的を見つけられたお二人。
きっかけは違えど、そこには共通するものが・・
それは、人の想いや人生に想いを馳せるお人柄。お話を、聴けば聴くほど感じます。
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ご縁が運ぶ材料
米袋
友紀さんが使用する材料の米袋は、ご縁がある方を通じて、三原市の「おこめん工房」さんや地元東広島市の「金光酒造」さんがご提供されています。
お米を扱う業者さんでは、月に100枚以上捨てるらしく、有効利用できるのなら、と譲ってくださるそうです。
友紀さんの工房を訪れて、米袋って地域や品種でこんなにも柄があるのか!と、バリエーションの豊富さに驚きました。
広島人なら一度は目にしたことのある「いーねくん」がまさかバッグに!とちょっとクスッとできるところが米袋バッグの魅力の一つです。
ブルーシート
奈緒子さんが使用する素材・ブルーシートは「日興ホーム」さんからのご提供です。
家を建てる時のご縁で担当営業の方が奈緒子さんのインスタを見られ、アップサイクルバッグにとても興味を持ってくださったそうです。
巨大なブルーシートは捨てるのにもお金がかかるそうで、そこから奈緒子さんと日興ホームさんとのタッグが生まれました。
日興ホームを訪れるお客様のカタログバッグとして、このブルーシートバッグが活躍すると言うなんとも素敵なコラボレーションを展開されています。
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バディ
元々知り合いだった訳ではないお二人。
お互いの作品を購入しあったことがきっかけで交流が始まりました。
お互い周りにものづくりの話をできる人があまりおらず、初対面なのに4時間もものづくりの話で盛り上がったとか。
ものを作る楽しさを共有しあえて、同じ方向を向く存在、出会うべくして出会われたお二人なのだと思います。
そして2020年10月、友紀さんから一緒に展示会に作品を出してみよう!と奈緒子さんを誘い、お二人の絆はますます深まって行きました。
先日、2021年6月26日・27日に、東広島市立美術館で開催されたお二人の展示会「アオイチキュウ」へお邪魔させていただきました。
互いに協力しあい、また東広島市の10人の作家さんとのコラボで実現された展示会は、とびきり想いの詰まった催しだったことでしょう。
パネルのメッセージ、丁寧な配置、作品の魅せ方、ワークショップ・・
一つ一つに伝えたい想いや優しさ、それから作家さんとの絆も感じられるようなとても素敵な催しでした。
展示会後も、それぞれのインスタグラムでコラボされた作家さんお一人お一人を丁寧にご紹介されていて、お人柄が伝わります。
展示会準備でお忙しい中、快く私たちの取材に応じてくださり本当にありがとうございました。
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目指す未来「循環」
今では同じ工房の同じフロアで製作活動をされるお二人・・
同じ志を持つ仲間、刺激しあえる存在、まさに、「支え支えられ」の関係なのだろうと感じました。
そして、穏やかな雰囲気の中に、ブレない強さを感じます。
それはやっぱり「ものを大切にする」ということの奥から、「繋がり」や「人」を大切にしたいという想いがひしひしと伝わるからだと・・
今後の目標や計画を伺って、より一層深く感じました。
協力してくれる人のありがたさ。ご縁や繋がりの素晴らしさ。
そういった事を節々に語られるお二人のビジョンは、少しでも関わってくれた人にお返しができるような、良い循環でこのアップサイクルプロジェクトが沢山の方に知ってもらえるような仕組みを作りたいとのこと。
アップサイクルの作品を手にされた方がどんな使い方をしているのか、どんな風に使いたいか・・
みんなを巻き込んでアイデアをもらう、そんな座談会を開催してみたいそうです♪
主婦の方のアイデアを取り入れたり、ボランティアやシニアの方にブルーシートの拭き作業をお願いしたり、ちょっとずつ、色んなところで色んな人の手と知恵を借りながら製作し、その収益を少しずつお返しできるような参加型の仕組みを作りたいとお話ししてくださいました。
夢は、「子育て中の主婦が活躍するママの会社を設立すること!」
行動力のある友紀さん、奈緒子さんが語るその夢は、そう遠くない未来なのかもしれません。
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新たな挑戦
今、奈緒子さんが挑戦しているのは、ブルーシートで作った「コンポストバッグ」です。
コンポストとは、家庭で日々出てくる生ゴミや落ち葉から微生物の力を借りて堆肥を作ること。
それをブルーシートで通気性と水分を考慮しながら開発中です。
廃材と生ゴミが、工夫次第でまた新たな生命を生み出す力を秘めているのだと思うと、改めて、ものを大切にすることの意味を考えさせられます。
友紀さんは、野菜を包む新聞の代わりとして農家さんとコラボした米袋バックを製作されています。
名付けて「精myバッグ」 精米と私=myをかけて、精myバッグです!
こんな可愛らしい袋で美味しい野菜をいただけたら、きっと何倍も美味しく、食べる楽しみや買う楽しみ、会話のきっかけになると思いました。
小さめバッグ用の10kgや15kgの米袋が不足しているので、譲ってくださる方がおられたらぜひお声がけください。
頂きに参ります!
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出逢いを繋ぐ
私たちsasaeru clubは、自然体験や遊びを通して自然の摂理やその尊さを学ぶ機会を提供したいと考え活動しています。
体験や遊びの中から創造力やチャレンジ精神、気づく力や心が震える感覚を育めると思うから。
それは、環境問題という大きな問題を前にするととても小さなことかもしれないけれど、そこで得た感覚や経験が、きっと物事の本質を捉える力や様々なことに関心を持つ機会を与え、問題に立ち向かうための人間力を高めると思うからです。
コンポストバッグの活用や米袋を活用したワークショップ、体験型アップサイクル社会見学、お話会など・・色々妄想が膨らみます。
sasaeru clubの活動ともぜひご一緒していただきたいです。
友紀さん、奈緒子さん、sasaeru農園へぜひ遊びにお越しください♪
楽しい計画を一緒に立てましょう。コラボできる日を楽しみにしています!